糖尿病網膜症の検査
糖尿病網膜症とは、糖尿病の3大合併症の1つです。
自覚症状に乏しく、気付いた時には、病気がかなり進行していることが多いので、発症前から定期的な検査を受けることが大切です。
検査方法
糖尿病網膜症の診断に有効なのが、「眼底検査」です。
眼底検査では、網膜の出血や硬性白斑、軟性白斑なども見つけられます。
逆に、眼底検査を受けて初めて糖尿病が見つかる場合もあります。
ただし、眼底検査は、網膜の血流が途絶えた部位を調べるのには、あまり向いていません。
そのため、糖尿病網膜症が進行した患者様に対しては、造影剤を使って眼底をチェックする「蛍光眼底造影」が行われます。
蛍光眼底造影では、血流が途絶えた部位がよく確認できますし、新生血管の有無もはっきりわかります。
治療方法
初期の単純網膜症の段階なら血糖コントロールだけで進行を抑えることも可能です。
血糖コントロールは、糖尿病治療の基本です。
糖尿病網膜症の進行具合にかかわらず、継続して取り組んでいくことが大切です。
中期の前増殖網膜症や、後期の増殖網膜症にはレーザー治療を行います。
- ■レーザー治療
- 糖尿病網膜症の場合は、網膜の血流に途絶えた部分にレーザーを照射し、焼き固めます。
網膜に血流の途絶えた部分があると、「血管内皮増殖因子」が多量につくられて、新生血管ができやすくなります。
そこで、レーザーで焼き固めることで、血管内皮増殖因子の産生を抑えて新生血管ができるのを防いだり、すでにできた新生血管をつぶします。
レーザー治療の目的は、あくまでも糖尿病網膜症の進行を抑えることです。
レーザー治療を受けても、視力は回復するわけではありません。
また、黄斑部を避けてレーザーを当てるため、逆に黄斑部だけむくみが強まり、視力が悪くなる可能性もあります。
治療を受ける前にこうした点を理解しておくことも大切です。